時間は、いつでもいつのまにか過ぎていく。
15年ほど前、『舞台』というものに魅了された。
そのころのあたしは、自分が嫌いだった。
自分が嫌いだから、自分以外の誰かになれるということがなによりも嬉しかった。
そしてそこでは、自分の存在というものを確実に認識することができた。
あたしは今ここにいるんだ、必要とされているんだ…と。 生きていく中で、その場所を一度手放した。
『舞台』は常用性のある麻薬のような力を持っている。
一度は離れたこの世界に、再び還ってきたのは、あの眩い光と心惑わす空気を忘れきれなかったからだろう。
そしてもう一度、自分の存在を確認できる場所が欲しかった。
あたしは今、確かにここにいる。
いろいろな経験をした。
自分が間違ったことをしたとは思ってないけれど、親に堂々と胸を張って言えないこともある。
それでも経験は「ひきだし」つまりは惹き出しだ。
芝居をしていると、無駄だと思えることが何一つない。
経験というストックを増やしているのだ。
それは、人間的にも自分を成長させ、魅力という一つの細胞になってゆく。
今は、自分のことを嫌っていたあの頃とは違う自分がいる。
あたしは、超がつくほどポジティブな今の自分が好きだ。
「それはいくらなんでもいい方向に考えすぎだ」と、何度言われたことだろう。
でも、たとえどんなことでも、同じやるなら楽しい方がいいに決まっている。
嫌だなと思ってた事でも、考え方をちょっとひとひねりするだけで、意外と楽しめるものだ。
苦手かもしれないと思ってた人でも、話してみれば意外とおもしろい考えのヤツだったりするわけだ。
そうやっていろんな人たちと出会い、「人間」というものがますます好きになった。
片思いは、ちょっと切ない。
だからあたしは、いつでも自分が自分を好きでいられる自分でいたい。
自分の嫌いな自分を好きだと言ってくれる人間はきっといないだろうから・・・。 |